小さいころから修道院で暮らすメイリンの大腿部には、アレクサンダー前国王の紋章の焼き印が押されていた。それは、前国王の庶子であるあかしで、彼女と結婚した者は広大な領地と多額の持参金を得ることができるのだ。ゆえに、心ない者が夫になれば、財産を得たあとにメイリンを不要とし、殺すかもしれない。だからこそ、彼女は身を隠さねばならなかった。しかし、残酷なキャメロン族長の部下に見つかり、メイリンは花嫁としてさらわれてしまう。どうにかキャメロンの手から逃げることができたメイリンは、マケイブの民と出会い、族長のユアンのもとへと連れていかれ──。